特定非営利活動法人 米沢伝承館

座談会

米沢商工会議所では、
平成22年度から異業種で委員会を結成し、「米沢の宝」発掘事業を展開しております。
キーワードは 「人」
座談会  本事業では、代々受け継がれてきたものや、未来へとつながるモノやコトを大切に守り伝えている“米沢人”を紹介しています。
 また、一昨年の大河ドラマ「天地人」の放映で直江兼続が伝えてくれた「愛」を、再び米沢のブランドとして発信していくことになりました。
 そこで、今後の事業展開について委員の皆さんに語りあっていただきました。
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兼続が残した「愛」再び!!
司会:これまでの事業を通して、米沢のいろいろな人、モノ、コトに触れてきましたが、みなさんが思う“米沢の魅力”とはずばり何でしょう。

長谷部:米沢には美味しい食べものや素晴らしい民工芸、温泉や自然などたくさんの宝ものがあることを再認識しましたが、そこには必ず守り伝えている人がいることを知り、米沢人って凄いなあと感激しました。

黒田さん 黒田:私は東京からの移住組ですが、友人が私の暮らしぶりを見て、なんて楽しそうな生活なの、どんな人が周りにいるのと興味を持ちます。おべんちゃらを言ったり、ごまかしたりしないで困ったときには助けてくれる米沢人こそ、米沢の最大の魅力だと思いますね。

司会:お2人とも米沢の最大の魅力は「人」だとおっしゃっていますが…


相田さん 相田:私もそう思います。なぜ米沢人が魅力的なのかというと、根本に「愛」があるからじゃないかと。伝統を守り伝えるにも愛は必要だし、人を助けることにも愛は必要でしょう。

斎藤:確かに米沢藩の歴史をみても、直江兼続や上杉鷹山公の政治には、藩や民への強い愛が感じられますし、戦国時代を生き抜いた上杉謙信公は、自分の領地を増やすためだけに戦をしていたわけではないのですからね。


長谷部:米沢人のDNAには愛がすり込まれている!(笑)

黒田:分かるような気がします。米沢人の愛は深い感じがするんです。表面的な付き合いじゃなくて、時には怒られたりして(笑)。でも、いつの間にかちゃんと仲間に入れてくれるんです。

司会:委員会では、米沢のいろいろな宝ものが掘り起こされてきましたが、それらに関わるすべての人に愛があるということですね。

相田:そうです。兼続や鷹山公の民への愛、伝統を守り伝える愛、米沢牛を育てる愛、源泉を大切に守っている愛、米沢はたくさんの愛で成り立っているんです。

斎藤:米沢の魅力を本当に知るためには、何回も来ていただかなければいけませんね(笑)。

黒田:そうですよ。「ウォーリーを探せ」じゃないですけど、「米沢で愛を探せ!」。

米沢人って“シャイ”なんです。
齋藤さん 斎藤:実は昔から米沢人は排他的と言われていて、本当はそんなことはないんだけれど、表現が下手というか、照れ屋。米沢の方言で照れくさいことを「しょうしい」と言うんですが、「俺、しょうしいから…」ってなかなか前に出て行かない。

相田:そのガツガツ行かないところも、相手に対する愛だったりする(笑)。「しょうしい」から気持ちをストレートに表せないけど、「しょうしい」の前に「お」をつけて「おしょうしな」という、ありがとうの意味の方言が出来たという説もあります。


黒田:なるほど。そういう話を聞くとうれしくなっちゃいますね。ちょっと触れただけでは分からない米沢人の奥深さを感じます。

司会:今回の冊子のなかで、観光客のみなさんにも「米沢の方言」を使ってもらえるように、日常会話の米沢弁をまとめて掲載しています。

相田:「おしょうしな」は、買い物をしたら普通に耳にすることができますから、ぜひ商店に足を運んで「おしょうしな」を聞いて、そして使ってほしいですね。これをきっかけに、また商店街で「おしょうしな」一声運動をしなければ!

黒田:方言を使って会話ができたら、これもまた記憶に残る体験になりますね。

長谷部:そうですね、観光客のみなさんに方言で話されたら、米沢人はものすごく嬉しくなって、なにかサービスしたりして! (*^。^*)

「愛」を探しに米沢へ
齋藤:伝統工芸の世界は、これまで自らアピールすることをしない風潮にありましたが、今は逆に積極的にアピールしていかないと。昔から守り育てられてきた作品を、これからも作り続けるために“本物”をお披露目することが必要だと思います。

司会:来る10月30日には、米沢の本物に出会える「米沢まるごとお宝博」を開催します。米沢の民工芸体験、地場の食材の販売やその食材を使ったオリジナル料理の試食など、まさに、作り手の「愛」を感じていただける“宝もの”を集めたイベントです。

黒田:「愛」をテーマにということですから、ここに来ればたくさんの本物の愛に出会えること間違いありません。

相田:婚活ツアーもこのイベントに合わせ10月29・30日に開催しますが、その数時間をこの場所で楽しんでいただくように組み込んでいます。愛を探しに米沢へ!

齋藤:今回の事業は、我々のこれまでやってきた集大成です。観光客だけでなく、エージェントや近隣温泉の方々にもおいでいただきたいですね。

長谷部さん 長谷部:私たちの目的である、お客様が地域内で楽しんでいただくためにもそれは必要ですね。

司会:観光客のみなさんに米沢の愛を探してもらい、投票していただく企画も実施中です。このパンフレットにも応募用紙をつけました。米沢の素敵な賞品も用意しています。いろいろな愛を探して応募していただければと思います。


長谷部:どんな愛が見つかるのか楽しみですね。

黒田:みなさんの投票が、米沢の励みとなります。人によって愛の感じ方は違いますから、ぜひ来て・見て・触れて、本当の愛を感じて(みて)ください!

司会:本日はありがとうございました。

齋藤さん

齋藤英助(有)齋英織物・わくわく舘代表
米沢織元3代目、草木染めの紬や帯を制作。
早くから染織体験工房を開設し、新しい米織の発信に従事。

長谷部さん

長谷部美千子(株)ディアナクリエーション代表
1994年Uターン後、編集の経験を活かしデザイン企画会社設立。
特に歴史関連の観光客むけの分かりやすいマップやホームページの制作を手掛ける。

黒田さん

黒田三佳ローズレーン代表
家族と共に1999年米沢に移住。元客室乗務員の経験から英語、接客ビジネスマナー講師として活躍中。

相田さん

相田克平
(協)米沢市商店街連盟専務理事/相田酒店・コンビニ経営

現在市議会議員としても商店街の活性化と産業振興に奮闘中。

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